コルセットによるあばらの痛み

  • 2015.08.02 Sunday
  • 00:40
80代女性

今年の春頃から畑仕事のせいかあばらが痛い。特に右が強く、痛みがひどくなると右腕が挙げられなくなる。病院で診てもらったが、働き過ぎと言われ注射を打ってもらい、痛み止めを処方された。何もしないでいると楽だが、畑仕事をすると悪化する。と言って背中が丸くなったおばあさんが治療にみえました。

右のお乳の下を押すとひどく痛がり、肋間神経痛のように見えました。2回治療してあばらの痛みが大分良くなったところで、今度は畑仕事のせいか背中が痛くなったと訴え、次ぎに来院したときには再び両脇腹にピクピクと痛みが走る状態にまで悪化していました。

痛がるあばらを触ると、とても過敏になっていて、ちょっと動くだけでも痛みが走る状態だったので、背中が丸くなって起こる肋間神経痛ではなく、何か別な原因がある印象を持ちました。

「もしかして堅めのコルセットをしてませんか?」と尋ねると、「畑仕事をするときはいつもコルセットをするがそれが硬いかどうかはよく分からない。」と言う返事でした。

念のためしばらくコルセットを着けるのを止めてもらい、4日後に来院してもらったら、あばらの痛みがかなり減っていました。持ってきたコルセットを見ると、ステーと呼ばれるプラスチック製の支え板が前側にも付いている固定力の強いタイプでした。結局このステーが、かがんだ時にあばらに当たり、痛みを起こしていたようでした。


畑仕事の時にコルセットをしないようにしてもらったら、それっきりあばらの痛みはなくなり、背中と腰の痛みだけ訴えるようになり、そちらも8回の治療で良くなりました。

痛みを悪化させる原因をきちんと見つけ出すことで、あばらの痛みに対してはほとんど治療が必要なくなりました。

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 診断のポイントはコレ!

肋骨に沿った脇腹の動作痛と圧痛が揃えば肋間神経痛と断定したいところですが、
そもそも神経痛と言う病名自体がバスケットネームなので、鍼で治すことを考えたら
もっと詳細な病態把握が必要になります。


肋間神経痛と言われる痛みの多くはトリガーポイントによるものです。鑑別のポイントはどんな動作で痛むかと、押して痛みが再現できるポイントがあるかどうかになります。

ところがこの方の場合痛むエリア全体が過敏になっており、明らかにトリガーポイントの特徴とは異なっていました。そこでそうした事態が起こる可能性のある行為を並べながら問診をしていくと、原因に突き当たることがあります。

結果としてコルセットによる刺激が原因だった事が分かりました。

治療のコツはコレ!

腰の曲がった老人にコルセットを外して生活するように指示を出すのは酷なようにも思えますが、コルセットは腹圧を高めて背筋の負荷を減らす効果と、腰を固定して動き過ぎから来る痛みを減らす効果が期待できるだけで、腰を支えるわけではありません。だから、この方の場合は無くても生活に困ることは無いのです。

あばらを刺激していた原因を取り除けば、何もしなくても治るものです。より早く治すには、過敏になった骨膜に01番以下の細い鍼で単刺をし、アイシングを加えておけば良いでしょう。


今回の教訓

病名診断や、証の決定、弁証をするより、病態把握と原因を追及することが最大の近道です。

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